今回のインシデントは、ルートキープ後の確認・調整忘れによるもの。
ルートキープ後って、輸液ポンプにセッティングして流量設定するか、手落としの場合はクレンメをしぼって滴下調整しますよね。
私はそれを完全に忘れてしまいました。
あとはなんとなく結末の予想がつくと思いますが、、
そんなばかなと、いう恥ずかしかったお話です。
背景
2年目になった頃。ある病棟が人手不足でよく他部署から応援をもらっている時期がありました。
ある日私にも応援にいく順番がきたので、軽く緊張しているが応援なので少し気を楽にしていきました。
違う病棟だけど、転棟で時々おじゃまするため、看護師の顔はなんとなく見たことある人がちらほら。
その病棟のまあまあベテラン先輩がペアとして動く感じになりました。
いろいろ清潔ケアなどを行い、次に当日入院手術を予定している患者さんのルートキープを任されました。
私、実はルートキープがあまり好きじゃない、得意じゃないのです。
指示された時には正直 うぇ って思いました。
失敗したら病棟の人に頼まないといけないし、そんなの応援がきた意味ないじゃんってなるし、
失敗しないようにしなきゃなーっと軽く緊張していきました。
できた!!と安堵しすぎたのが災いに
患者は若い方でした。
患者に説明し、準備し、いざ実施!!
無駄に緊張しちゃうクセが出てしまいましたが、
そこまで難しい相手(血管)ではなかったので、一度目でルートキープ成功。
点滴を全開にしてみてきちんと滴下するかを確認し問題なし。
自然な雰囲気で患者に話しかけながら手を動かすが、
心の中では「は~本当できて良かったーー。めっちゃ良かったーー。」と安堵する自分。
私の所属部署はほとんどの患者に輸液ポンプを使用しているが、応援にきたこの部署はその逆で、術後くらいしか使用しない。
今回も、手術時間までもつように手落としで良いということで、
患者に話しかけながらルート固定。その流れで手元にあった使用済みの物たちを片付ける。
すべて完了したと信じ、退室しました。
あれから2~3時間後、他の看護師から
「あのー。あの患者さんが、点滴から血が出てるって言ってたので、対応お願いしてもいいですか。」と言われ、さきほどルートキープした患者さんの病室へ向かいました。
見てみると、ルート内でめちゃくちゃ逆血している!!
なぜだ!?と確認すると、手術までまだ時間あるのにもう点滴が空っぽで終わってる!
クレンメは全開なのを見たとき、クレンメで滴下調整していなかったのを思い出しました。
ルートキープできたことがうれしくて滴下調整するの忘れてそのまま帰ってた。。
マジか自分。。
2年目でこんな初歩的なミスして、恥ずかしすぎるじゃん。
と落ち込みたくなるが一旦我慢し患者に謝罪。ルートは逆血で詰まっていたので抜針。
全身状態は変わりなしでした。
ペアの先輩に報告。先輩も、え・・・って感じで引いている。
そうですよね、そんな反応になりますよね。本当にすみません。って思いながら謝罪。
先輩から主治医に報告、また同じ点滴をオーダーしてもらい、
再度ルートキープ、今度はきちんと滴下調整まで確認し完了しました。
ひたすら恥ずかしい、情けない。
日勤の終わりが近づき、ナースステーションに看護師がみんな集まり終礼。
師長がその日あったことを話す中に、私が起こしたインシデントについても触れ、
「業務はやった人もだけど、頼んだ人も後でちゃんと確認しないといけないので、みんなで確認しあっていきましょう」と言ってくれました。
優しいですね。本来は私の責任なのに、応援に来てくれたのだからと気をつかってくれているのが分かりました。
しかし、本当に恥ずかしくてその場に居づらかったです。
応援の業務を終えて、先輩からは、この病棟で起きたことだから私はインシデントレポート書かなくて良いよと言ってくれましたが、その顔は真顔。
本当は嫌ですよね。本来しなくてよかった仕事が増えちゃったわけだし。
私が逆の立場でも、あなたが起こしたインシデントはあなたが書きなさいよ、と、そう思うと思います。
本当に申し訳なかったですが、あまり下手に「いえいえ私がやります」と食い下がるのも気に障るかな、やめたほうがいいかなと思い、素直に謝罪しお任せして病棟を離れました。
反省
ルートキープの次は、点滴を指示通りに設定して開始すること、最後まで油断せず気を抜かないことが大切でした。
めちゃくちゃ基本すぎるなことなのに、これを反省してる自分って、、、ってなりますが。
この事例に限らず、基本の確認は気を抜かず行うということは、何の業務に関しても言えることだから重要なことですよね。
その後は何か成功したとしても、何か見落としていることもあるんじゃないかと自分の行為や状況を振り返ってみるようになりました。
何年目になっても、基本こそしっかりと。
と、今になってもそう思わせられる失敗でした。
終